今回はクワンソウと、その主成分についてご紹介いたします。
クワンソウってなに?
クワンソウはユリ科の植物で、和名はアキノワスレグサといいます。
沖縄で古くは琉球王朝時代から親しまれていた島野菜の一つです。
花も葉も、食されていたそうですよ。
ただし、ユリ科の植物なので、生ではなく必ず火を通して食べたほうが良さそうですね。
その当時、中国から要人が来られた際に振舞っていた宮廷料理の中にもクワンソウが使われていたそうです。
綺麗なオレンジ色の花がとても鮮やかなので、見た目も豪華だったかもしれません。
沖縄の食べ物に関する記録書(御膳本草)でも紹介されていて、そこではこのように記されています。
「クワンソウは百合科の多年生草本。ワカバおよび花は食用に供せらる。苗花は気味、甘、涼、毒はない。胸を開き、五臓を安じ歡楽して患ひなからしむ故に忘憂草と云ふふ小便赤く澁って身体の煩熱するを治し、・・・」
ちなみに、沖縄県が指定している沖縄伝統野菜28品目の一つでもあります。
見た目は完全に花なんですけど、野菜として認識されているようです。
クワンソウの主成分オキシピナタニン
クワンソウといえばオキシピナタニンです。
オキシピナタニンの作用メカニズムについて少し挙げて見ましょう。
この成分と深く関わりがあるのが、ズバリ睡眠です。
ご周知の通り、睡眠には「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(浅い眠り)」があります。
私たちは睡眠をとっている間、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しながら脳を休めているといわれていますね。
そしてオキシピナタニンには、このノンレム睡眠の質を高める効果があるのです。「深い眠りを誘発する働きがあり、より深い眠りを増加させることで、睡眠の質を改善させる」という学会報告もあるようですよ。
オキシピナタニンに関する実験も行われていたようで、、
ストレスを与えたマウスにオキシピナタニンを投与してみると、投与後3時間までで睡眠時間とノンレム睡眠が共に40分も増加したという結果が出ているそうです。
※平成21、22年度経済産業省「地域イノベーション創出研究開発事業」産官学研究成果より
睡眠を促す(眠気を誘う)というより、睡眠の質(ノンレム睡眠)を改善するという感じでしょうか。
ちなみに、オキシピナタニンはクワンソウの生の根、茎、葉、花の各部位に含まれています。
まとめ
沖縄におけるクワンソウは、古くから(琉球王朝時代)親しまれてきた野菜です。
そしてオキシピナタニンという成分が含まれ、これは睡眠の質を改善させる効果がある。
いかがでしたでしょうか。
沖縄で親しまれている野菜といえばゴーヤー、ナーベーラー(へちま)、島らっきょう等、色々とありますが、クワンソウも沖縄が誇る伝統野菜だったんですね。
そして今でも食べている一般家庭があると聞きます。
質の高い睡眠をとるうえで、沖縄の食材であるクワンソウはとても魅力的ですね。
私もいつか調理して見たいと思います。